はじめに わが国において、リース会計基準が制度として導入されたのは1993(平成5)年に遡ります。その後2007(平成19)年に改正が行われたものの、2016(平成28)年にIFRS16が公表されると日本のリース会計基準との違いが明確となり、改めてリース取引に係る国際的な会計基準との整合性を図る必要が生じました。 そこで、2024(令和6)年9月13日に企業会計基準委員会から企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」等が公表され、2027年(令和9)年4月1日以後開始する事業年度から全面的に適用されることになりました(2025年4月1日以後開始する事業年度から任意適用可能)。 これにより、旧会計基準等ではいわゆるオペレーティング・リースと判定され、賃貸借処理を行っていたリース取引についても、新会計基準等において借手は原則として使用権モデルという考え方に基づき資産及び負債の計上が求められるなど、経理実務に多大な影響を及ぼすことが想定されています。 そこで本書では、公表された新会計基準等はもちろん、これを受けて2025(令和7)年3月24日に公表された「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」及び同ガイドラインの改正や、3月31日に公表された会社計算規則の改正、さらに2025年4月1日より施行となった令和7年度税制改正におけるリースに関する整備等の内容を織り込んでいます。 また、新会計基準と新適用指針のポイントを各節ごとに記載し要点をわかりやすく示すとともに、事例や図表も適宜用いることで、新会計基準等の全体像を把握し、実務の参考に資することを目的としています。
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