新リース会計基準 早わかり実務ガイド
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[1]特定された資産① 顧客が、特定された資産の使用から生じる経済的利益のほとんどすべてを享受する権利を有している。② 顧客が、特定された資産の使用を指図する権利を有している。 この点、特定された資産の使用期間(新適用指針4⑴)全体を通じて、上記①及び②のいずれも満たす場合、当該契約の一方の当事者(サプライヤー)から当該契約の他方の当事者(顧客)に、当該資産の使用を支配する権利が移転していると考えます(新適用指針5)。 資産は、通常は契約に明記されることにより特定されますが、資産が契約に明記されている場合であっても、次の③及び④のいずれも満たすときには、サプライヤーが当該資産を代替する実質的な権利を有しており、当該資産は特定された資産に該当しないこととされます(新適用指針6)。③ サプライヤーが使用期間全体を通じて当該資産を他の資産に代替する実質上の能力を有している。④ サプライヤーにおいて、当該資産を他の資産に代替することからもたらされる経済的利益が、代替することから生じるコストを上回ると見込まれるため、当該資産を代替する権利の行使によりサプライヤーが経済的利益を享受する。 上記③の「サプライヤーが使用期間全体を通じて当該資産を他の資産に代替する実質上の能力を有している」場合としては、例えば、顧客はサプライヤーが資産を入れ替えることを妨げることができず、かつ、サプライヤーが代替資産を容易に利用可能であるか又は合理的な期間内に調達できる場合等が考えられます。 また、顧客が使用することができる資産が物理的に別個のものではなく、資産の稼働能力の一部分である場合には、当該資産の稼働能力部分は特定された資産に該当しないこととされています。10第2章 リースの識別

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